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ラベンダーの咲く庭で

去年「ピアノマン」騒動の頃、ちょうど劇場公開で、ストーリーが似ていたため、映画会社の宣伝かとも疑われたイギリス映画「ラベンダーの咲く庭で」をやっと見ました。1930年代イギリス、コーンウオール地方の海辺の村が舞台、二人の老姉妹・・・これだけで、十分好み。(笑)

ある夏、嵐の夜の明けた朝、姉妹は海辺に打ち上げられた少年を発見します。この少年が「ピアノマン」のごとくバイオリンの名手だったのです。妹のアシュラは、一目でこの少年に恋してしまいます。それは、若い娘のように情熱的に。姉妹の献身的な介護で少年はケガも回復するのですが、やがて村に住む美貌の画家の兄である音楽家に才能をみいだされ、ロンドンに去ってしまいます。短いアーシュラの恋も終わります。

というシンプルなお話なのですが、退屈もせず、見れたのは映像の美しさとマギー・スミスとジュデイ・デンチの名演技と、共感せずにはいられない思いのせいでしょう。少年が女流画家と去ったと知ったアーシュラが「人生はなんて不公平なの?」と泣くシーンがあるのですが、ほんとに切ない。どうして、自分はもっと若く美しくないのか・・・姉のほうには恋人もしくは夫ととの愛の思い出があるというのに、アーシュラにはそれさえも、なかったのですから。やっと、恋しい人に出会えたというのに。

でも、どういう結果におわろうと、人はやはり、誰かを愛したということ、愛されていたということ、、これがあるのとないのとでは大違いの人生、特に後半は・・・なんだなあと思いました。多分、アーシュラにとっては、実る事のない短い恋だったとしても、きっと、心の支え。

恋すること、愛すること、普通に暮らしていくこと、そんなことを考えてしまう映画でした。

by looktothisday | 2006-05-30 21:55 | Movies