ルピナスさん

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最近ふと思い出す一冊の絵本があります。

バーバラ・クーニーの「ルピナスさん」。原題は"Miss Ramphius"。とても有名な本なのでご存知の方も多いかと思います。クーニーの絵は独特で、絵画に詳しくない私でも、一目見て彼女の作品はわかります。絵本では、さし絵だけをクーニーが書いてあるものもたくさんあります。子供の読み聞かせのため、色々な絵本をかいましたが、クーニーの本は、私のお気に入りでした。その中でも、この本が一番好きです。

海の見える丘にすむ小さなおばあさんのお話です。おばあさんは、もとからおばあさんだったわけではなく、子供のころはアリスと呼ばれていました。アリスのおじいさんは、船首像をつくったりする仕事をしていましたが、アリスに遠い国々のお話をしてくれました。それでアリスは、「大きくなったら遠い国々をみて、年をとったら海のそばの町に住む」とおじいさんに話します。するとおじいさんは、もうひとつ大事なことがあるよと話します。それは「世の中をもっと美しくすること」です。

アリスはやがて、ミス・ランフィアス(原題ですね)と呼ばれるようになり、町の図書館で働きます。そして、小さい頃の夢のとおりに、遠い国をみるために世界中を旅し、色々な人々ともであいます。しかし、帰るのも忘れるような美しい場所にたどり着き、ラクダの背中からおりる拍子に背中を痛めてしまいます。海のみえる丘に住むときがきたのです。
痛めた背中を癒しながら、彼女はおじいさんとの約束を考えます。「世の中をもっと美しくすること」を。そこで思いついたのが、一番好きな花、ルピナスで村中をいっぱいにすること・・・
真っ白の髪になった彼女はルピナスさんと呼ばれ、村の子供たちに遠い国のことを話します。そして大切なことも・・・「世界をもっと美しくすること」

単純なお話ですが、深いですね。仕事をし、やりたいことをやり、行きたいところに行き、年をとったらお気に入りの場所に住む・・・できれば心から愛する人と時を分ち合いながら。それだけで十分満ち足りた人生だと思ってしました。「世界をもっと美しくすること」なんて、できないよなーって。でも、このごろ、ふっと思うのです。私にもなにかできるんじゃないかなって。

若い頃からそれに気づいてしまった人は、一生を捧げることができるかもしれません。または、やるべきことを終えた時、美しい穏やかな場所で自分のためだけの時間を持てるのかもしれません。私は、まだまだやりたいことや行きたい所ばかりです。ただ、こうやって、もしかしたら・・・
と思えること・・・それだけで私にとっては、変化。いつかは、私のルピナスを見つけたいです。

ルピナスは英語ではルーピン。ワイルドフラワーですね。大好きなので種をまいてみましたが、マメ科で移植を嫌うので群生させるのは難しいです。苗で育てた方が無難。でも、九州では夏の暑さが厳しいので残念ながら宿根させることはできませんでした。
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by looktothisday | 2006-03-02 22:02 | 子育て