真珠のエンゲージリング

赤毛のアンシリーズの「アンの夢の家」は、紆余曲折を経て、幼なじみのギルバートと結婚し、フォアウインズという村で過ごす新婚時代のお話です。もともと「赤毛のアン」はシリーズ化されるなんて思いもよらずに書かれた作品で、この1冊で完結しています。なので、後に書かれた続編は、ファンと出版社から請われて執筆されたようです。

ギルバートは、アンに真珠のエンゲージリングを贈ります。アンがダイモンドを拒んだからです。(19世紀末でもエンゲージリングはダイアモンドだったのね)「真珠は涙をあらわすから、縁起がよくないよ」という彼に、アンは「ダイモンドは子供の時の想像とは違って薄紫色でないと知ってから、ちっとも魅力的でないのよ。・・・涙には喜びの涙もあるのよ。私が一番嬉しかったときに、浮かんだものは喜びの涙。・・・人生の喜びばかりでなく、悲しみもうけいれるつもり」と話すシーンがあります。

正直いって、最初ここを読んだとき、これは真似できないと思いました。もう30年以上前ですが・・・悲しみなんて、涙なんて、ないほうがいいじゃないですか?本の中では、アンは初めて生まれたジョイスという名前の赤ん坊を出産後まもなく亡くします。「ああ、言わんこっちゃない!」と子供ながらに思ったものです。アンはその後でたくさんの子供たちに恵まれ、幸せな母親になりますが、この悲しみは一生消えないものです。彼女の屈託のない少女の笑顔は永遠に失われましたが、その代わりに彼女が得たものはなんだったのでしょう。初めて母親になった喜び、愛する命を失う深い悲しみ、それでも続いていく日々、周囲の人々の愛情。彼女は、それらを受け入れたからこそ、穏やかな日々も迎えられたのでしょう。

今、もう一度自分に問いかけてみます。(笑)「真珠のエンゲージリング受け取れますか?」
「うーん、仕方ないや!」・・・これくらいの心境です。(笑)いやいや、まだまだ25歳のアンにもおよびません。
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by looktothisday | 2006-05-26 20:15 | 赤毛のアンシリーズ